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須二夫が倒れた後、俺は撃たれた左腕を見た。
「くそう…」
肘の下辺りが少しえぐれていた。弾丸は貫通していたようだ。骨は大丈夫だが、血が溢れている…
ナップサックから手拭いと水筒を出すと、俺は水を傷口にかけた。
「グワァァ…!」
痛さで呻くが、消毒のためには仕方ない。その上から手拭いを巻いた。
手拭いに、血が少しにじむ。
「グググ…」
歯を食いしばって耐えた。痛みを忘れないと…
やっとの事で痛さを押さえ、須二夫のすぐ近くに寄った。
「何だったんだ…須二夫は一体…?」
須二夫の手にあったG3小銃を取った。
ハンドガードには独自規格の20㎜レールが装備されている。側面にフラッシュライトとレーザーサイト、上面には倍率変更機能付きの特殊光学サイトを、下面には垂直フォアグリップが取り付けられている。ストックは、M4のクレーンタイプであった。
そして、それらの製造社名が書かれていたのであろう刻印が、削り取られていた。
俺はそのG3とMEUを取り、かさばる水平二連ショットガンとショットシェルを捨てた。軽仁がこれを見つけてくれるといいが…
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