災害の3

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気がつくと、3年の教室にいた。兄が引っ張ってきたようだ。 「君たち!避難するんだ!」 「なーにいってんだよ。ゾンビがどうのこうの、信じられるかよ。」 兄と、クラスメートの1人が口論している。 もう無駄だよ…俺はママを殺した…俺は…俺は… そのとき、窓際の席の1人の女子が的の外を差しながら、「…?! 皆!あれを見て!」と言った。 全員が窓に近づき、窓に身から乗り出したり覗いたりした。彼女が指したのは、校庭へと逃げ込む警官数人と、それを追いかけるゾンビ…眠れぬ屍と化した人間の大群だった。 「警官が銃を撃ってる…なんだよこれ…」 数人の男子が喋っている。 「みんな、頼むから信じてくれ!でないと、殺される!」 兄がクラスメートへの説得を続ける。 「と、とにかく私は様子を見てくる。君たちはここで待ってなさい!」担任が、確かめるために教室から出て行った。 窓から見ると、警官の1人にゾンビが噛みついた。校庭に飛び散る血…この教室の誰もが思った。 「…なんだよこれ!」 外に出て行く先生の姿が見えた。箒を右手に握っている。「先生だ!」 「だめだ。箒なんかじゃ身を守ることすらできない…」俺は、歩いていく彼を、虚ろな目で見ていた。
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