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「ヌカ漬けねぇ。いや、確かに美味いよ。美味いけど、お前」
「うっせーな。俺はばあちゃん子だから、ヌカの扱いには慣れてるんだよ」
ユミがニヤニヤしながら私の顔を見た。
「『ばあちゃん子』、『ヌカの扱い』だってさ。あんたの大好物ワードじゃん」
「う?ん」と私は曖昧に返事をしながら前髪を撫で付けた。正直そうなのだ。『ばあちゃん子』。『ヌカの扱い』。何そのキュン死にワード。眩しい。
「そう言うお前は、決まったのかよ」
「いや、まだだけどさ」
「だったら一緒にやろうぜ?」
「一人でやるから研究じゃなかったのかよ」
「違ぇって。ヌカって途中で交換すると美味くなるんだ」
「お前、やる気満々だな。ヌカの交換とか、なんか男同士でホモってる見たいだな」
「お前。やめろよ、そういうこというの」
少し離れたセタ君の席で話がまとまりつつある。ヤバい!このまま行くと、私、影でパクったストーカー女みたいに思われるかも!?
「私もヌカヅケにしようかな」ユミが何気なく言った。
「お!?お前もやる?一緒にやろうぜ?」
「ソウ君、結局一人でやるの寂しかったんじゃないの?」
「違うって、混ぜ合わせると美味くなるんだよ」
「混ぜ合わせるとか何かイヤらしい」
「だからお前、やめろって」
え。何、それ。何その感じ。え?ユミ。なんでセタ君の事、下の名前で呼んでるの?てか、すごく楽しそう。
目の前で展開される仲良しぶりに、私の頭の中はなんでなんでとグルグルと渦巻く。
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