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「青司さん、あの……」
「何?」
ふわふわした気持ちのまま。
僕は目の前の彼に手を伸ばして、自分から彼にキスをした。
「……大好き」
唇を離して、本音を告げる。
普段は、なかなか言葉にすることができないけれど。でも本当は、いつだって彼のことを想っている。そのことを、彼に伝えたかった。
寝ぼけて口にしたわけではないけれど、ひどく恥ずかしったので、できればそう捉えてくれたらいいな、と僕は顔を赤らめながら思った。
「いのり」
「はい」
「誘ってる?」
「え……?」
「じゃなくても、もう無理。いのりが悪い」
「あ、えっと……」
そのままベッドに運ばれ、自分が口にしたのと同じ言葉を繰り返し耳に吹き込まれ。
恥ずかしくて、でも泣きたいくらいしあわせで。
こんな夜が永遠に続いていくことを願いながら目を閉じると、溢れた涙が静かに頬を伝い流れていった。
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