王国＊17[最終話]

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月を跨いで七月、王様との日々は変わることなく続いていた。

嵐君は、今もモデルの仕事を継続している。

最近は俳優業にも着手したようで、秋には連続ドラマへの出演が決まったらしい。僕はそれを美咲さんから聞いて知った。

テレビや雑誌で見かける嵐君はまるで知らないひとみたいで、時々寂しくなることもあるけれど。

うちに来てオムライスを頬張るときの顔は、昔とさほど変わらない。そういうのを見ると、僕はとてもほんわかした気持ちになる。

両親については、僕が大学生のときに離婚をしているが、恋人として今も仲睦まじく続いている。

最近は、美咲さんが嵐君の話ばかりするので、そのことで小さな喧嘩をしたらしい。

二人の喧嘩は、いつも美咲さんの奔放さに始まり、父の寛容さに終わる。

今度の喧嘩もおそらく、父が折れて終わるのだろう。