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月日を重ねれば、変わっていくこともたくさんあるだろう。
嵐君がずっと芸能界にい続けるかどうかは分からないし、両親だっていつまた不仲になるとも分からない。
たとえ多くのものが変わっていったとしても、変わらないものが確かにあると思うから。
変わることを恐れずに、自分らしくいられたらなと思う。
庁舎を出て、駅まで歩く道の途中で、僕は彼に電話をかけた。
「祈莉です。今からそちらに伺っても大丈夫ですか……?」
電話越しに届く、好きなひとの声。
その音の震えが、心まで震わせる。
梅雨が空けた空は、水彩で描いたみたいに青く澄み渡っていて。雲の隙間から届く日射しは、すっかり夏の色に染まっていた。
Kingdom*17 end.
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