王国＊17[最終話]

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駅前にある高層ビルの五十階。

街を見渡すことができるこのフロアに、僕は時々ひとりで来る。展望スペースがあり、景色がよくて。とても、空が近い。

「あ……」

気が付けば、待ち合わせの時間の三分前。僕は慌てて踵を返した。