166人が本棚に入れています
本棚に追加
同じフロアに入っている中華料理店の入口を潜る。店のひとに、既にいるはずの相手の名前を告げると、奥の席へと案内された。
個室に通され、扉を閉められたことで、彼と二人きりになる。
「……すみません。お待たせしてしまって」
いや、と彼は言った。
相変わらず耳に残る、深みのある声だった。
「構わない。こちらこそ、急に呼び出して悪かった」
僕は首を横に振る。
「大丈夫です。特に予定もありませんでしたし、青司さんも今日は仕事ですし」
「そうか。……とりあえず座ったらどうだ?」
狩野氏に促され、僕は彼の正面の席に腰を下ろした。
最初のコメントを投稿しよう!