一周忌

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一周忌

おじいさんの一周忌が終わった。 親がいない僕を、小さい頃から育ててくれたおじいさん。 死んでしまったときは呆然としたけど、ひとりの生活の気楽さで、本当の気持ちは紛れていた気がする。 半年も経つと寂しくて仕方がなくなり、自分のためだけに農作物を作るのも虚しくて、やめてしまった。 極度の人見知りで仕事もできない僕に、近所に住むおばさんが食べ物を持ってきては 「介護疲れよね。ゆっくりしなさい」と優しく言ってくれるのが、申し訳なかった。 おじいさんを見送った僕に、生きる意味なんて無い。 友達もいない。家族もいない。 おばさんは僕がいなくなったら悲しむかもしれないけど、おばさんの家族がいるから大丈夫だ。 厄介者の僕がいなくなったほうが、結果的には楽なはず。 おじいさんの一周忌が終わったら死のう。そう思っていた。
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