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「もう、いいのか?」
センセェの大きな手が私の首筋から頬へと触れる。
扁桃腺のこと?
それとも、コレカラのこと?
拾われた猫みたいに抱えられて、先セぇの部屋に連れて来られるなんて思わなかった。
センセぇの部屋は鴨芽商店街を越えた先の16階建の分譲マンションの6階で、テーブルとソファとベッドがあるだけの見るからにザ.男の独り暮らしって感じ。
夢にまでみたこの瞬間が一秒でも長く続いて欲しくて、嬉しくて恥ずかしくて、涙が出ちゃうの。
「里珠…」
真っ直ぐに見つめられて甘く呼ばれたら
身体の真ん中がグズグズに蕩けちゃう。
熱い右手親指が唇をなぞるから、力を抜いて躊躇せずに口の中に入ってくる爪に歯を立てた。
「いいんだな…」
3人掛けのソファの吸い付く様な肌触りが只者じゃないぞってアピールしてる。
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