八月の微熱

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は、ァン… ァアア、せ、ンセぇ…… ワンピのボタンは、飛ばしちゃイヤよ… あ、ンもぉ! 急に、口の中を熱くしないで… 冷えた指先は痺れてジンジン痛い。動かしたくても、重たくて感覚なんてわからない。 息ができないくらいに塞がれて カラカラに渇いた喉の奥が焼け付く様に熱い 足腰にまとわりつくびしょ濡れの布を蹴りやって、やっと足は動かせるようになった。 薄い薄い酸素は幾ら吸い込んでも全然足りない。 酸欠で脳みそはぐらりぐらりと揺れて、視界はグルグル回る。 混濁していく意識の中で 吐息なんて可愛らしいものは吐き出せない。 「ふ、ぐぅわはぁぁぁぁぁあああああ!!!」 出口のない無限ループに嵌って、長年の暗いドロドロしたものを吐き出せないモノを雄叫びと一緒に吐き出した。
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