八月の微熱

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「りじゅぅ、ん? …………まだダメだ」 センセぇ、アタシね。 センセぇになら、何をされても許せるの。 ハァ、ぁ、あぁぁぁぁあ…… センセぇったら そんなこと、したかったの? うん、大丈夫よ。 「ほら、りじゅぅ…」 くるり、と身体が反転させられる。 はぁ、ン。 軽々とアタシを動かす腕や手が やっぱり男の人だな、と惚れ直しちゃう 力が入らない足指は、シーツの上をツルツルと何度も滑る。 ねぇ、センセぇ… 春先の猫の鳴き声は、破廉恥すぎるって軽蔑してたんだけど。 そうなるのもわかってきちゃう…… ン、ハァ…ァア、 ッハ、あぁあ…! 長い長い時間をかけて 燻りつづけた身体の中の熱は 短時間で消えたり 簡単に収まったりしない 助けを求めているつもりはないけれど 無意識に何かを掴もうとして 空を切る指は まだ痺れている
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