八月の微熱

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ああ、熱い…… 大好きな人に 名前を呼ばれて 耳に響く自分の名前に、目眩がする ン、ハァ… 熱い… 体重をかけられて、圧迫する身体。苦しさと窮屈さから逃げ出したくて必死にもがいても がんじがらめにされた心と身体が熱い。 熱さに耐えることもなく、 いとも容易く甘く溶けていくのは 緊張と理性と…… 「ぁあ…、りじゅ」 センセぇも、同じ気持ちでいてくれてるんでしょ? ね、センセぇ。 センセぇの為ならなんでもできる覚悟はあるの。 あ、ダメよ。 センセぇ…それは、ダメ。 ぁぁぁはぁぁん、センセぇ!! ダメ、ね? センセぇ。あたし……ダメ、恥ずかしいよ。 「大丈夫、大丈夫だから。 リズ、力抜いて…」 センセぇ、ぁああッ ねぇ、センセぇ。 はぁぁぁぁあああん!! 逃げようと捩る腰を後ろから捕まえられる。 「りじゅ!」 いきなりなんてイヤ! 逃げられないとわかっていても 動かない身体を動かして 汗で湿ったシーツの上を泳ぐ ふ、ぅぅうん… ィャ!ァ、ああっ!? 痺れも目眩も怠さも吹き飛ぶ様な 衝撃波と違和感が熱さと混ざって 身体を襲う 息を吸うのも吐くのも、無理無理!! ンンンんーーーーーーーー!!!! ヒぃ?! ン、はぁあーーー!!
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