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ぽたり、ぽたり。
後れ毛から雫が落ちる。
シャツの襟からも
袖からも、裾からも。
ぽたり、ぽたり。
玄関先にアタシのシミができた。
タオルで幾ら擦っても
びっしょり濡れた服の水は吸い取れない。
力任せにゴシゴシ拭いてくれるワンピの胸元からは下着のレースが浮き上がる。
ね、せんせぇ?
ずっとずっと、秘密にしていたんだけど…
着けてる下着が女の価値だって聞いたから、下着にはこだわってるの。
あたしね、センセぇ。
センセぇの為ならなんでもできる覚悟はあるの。
膝ざまついたセンセぇは何にも言わずに、濡れたワンピースを拭いてくれる。
跪いて足を拭いてくれるセンセぇの肩に手を伸ばす。
結うた髪の隙間から伝う雫が額から鼻筋を伝い、顔を上げたセンセぇの左目に落ちた。
「リズ?」
違うでしょ?
何度言っても
ワザと間違えるんだから……
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