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「どうして今から俺が下で融が上って決まってんだよ!」
「どうしてって……、今まで俺入れたことしかない」
翔太の顔がますます赤くなる。
「俺だって初めてで、準備も出来てないし、いきなり入れるとか、お前、鬼か!」
途端に融がしょぼくれた表情になった。
「じゃあ、エッチなしで旅行?」
翔太は慌てて弁解した。
「いや、そんなこと言ってないよ。ただ、上とか下とか決められても困るってことで……」
そうなると、二人ともお互いの顔を見つめ合ったまま、微動だにできず、考え込んだ。
口火を切ったのは融のほうだった。
「じゃあ……、指で試して気持ち良かったほうで……。で、旅行までに開発しよう」
「……それしかないのか?」
「だって、エッチしたい……」
翔太は顔を赤くしたまま、ぼやくように答えた。
「分かった」
すると、融がいきなり翔太を押し倒してシャツの下に手を差し込んだ。指先がくりっと翔太の乳首をひねる。
ぞくっとする感触に翔太は思わず声を上げた。
「あんっ」
「こうしてると翔太のほうが下って感じなのに」
「悔しそうに言うなっ」
「じゃあ、今から試してみようよ……、ベッドいこ」
翔太は唸りながら渋々答えた。
「うー……、分かった。その代わり、おまえのも触らせろよ」
「りょーかい」
融の手が翔太の手を握り引いていく。宿を決めないうちにこんなことしてたら、泊まる場所がなくなるのに、と翔太が文句を言うと、即答で返ってきた。
「ラブホに泊まるから大丈夫!」
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