第1章

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「どうして今から俺が下で融が上って決まってんだよ!」 「どうしてって……、今まで俺入れたことしかない」  翔太の顔がますます赤くなる。 「俺だって初めてで、準備も出来てないし、いきなり入れるとか、お前、鬼か!」  途端に融がしょぼくれた表情になった。 「じゃあ、エッチなしで旅行?」  翔太は慌てて弁解した。 「いや、そんなこと言ってないよ。ただ、上とか下とか決められても困るってことで……」  そうなると、二人ともお互いの顔を見つめ合ったまま、微動だにできず、考え込んだ。  口火を切ったのは融のほうだった。 「じゃあ……、指で試して気持ち良かったほうで……。で、旅行までに開発しよう」 「……それしかないのか?」 「だって、エッチしたい……」  翔太は顔を赤くしたまま、ぼやくように答えた。 「分かった」  すると、融がいきなり翔太を押し倒してシャツの下に手を差し込んだ。指先がくりっと翔太の乳首をひねる。  ぞくっとする感触に翔太は思わず声を上げた。 「あんっ」 「こうしてると翔太のほうが下って感じなのに」 「悔しそうに言うなっ」 「じゃあ、今から試してみようよ……、ベッドいこ」  翔太は唸りながら渋々答えた。 「うー……、分かった。その代わり、おまえのも触らせろよ」 「りょーかい」  融の手が翔太の手を握り引いていく。宿を決めないうちにこんなことしてたら、泊まる場所がなくなるのに、と翔太が文句を言うと、即答で返ってきた。 「ラブホに泊まるから大丈夫!」
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