第1章

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 僕の恋が迷走を始めて三年。思春期に突入した十三歳の春に、今まで友達だと思っていた君に胸がときめきだした。  君を見る目がまるで女子のように輝いてしまう。  そんな僕に変わらず接してくれる君が、休み時間に僕にじゃれつくたびに、僕はどぎまぎして、君に邪険にしてしまった。  君は次第に僕から離れて、別の女子と付き合って、初体験まで済ませて、僕の恋は迷走を始めた。  君じゃない誰かと付き合って、君じゃない誰かとキスして、君じゃない誰かとエッチした。  でも、僕の心はまだ君に恋したまま、あの時の瞬間で立ち止まっている。  僕たち、もう子供じゃないよね? 十六歳という年齢は、微妙すぎるかな?  君にたどりつく道に向かって、僕は駆け出してもいいかな……?  追いかけて君に寄り添って、君の腕を取り、君と一緒に歩き出したい。離れた道でもいつか交わるかもしれないね?  それとも、もう手遅れなのかな……。男が男に好きなんて言う、そういうの、君はいやかもしれないね……。もしも、君の心を勝ち取れないのなら、未練たらしいけど、君の側にいたい。  君を一番に大切にする友人として、君の側にいたい。君への恋心はひた隠しにするから……。  君の視界に僕の入る余地はあるかな? 君の人生に少しでも関われる資格はあるかな? 君の愛を少しでも受け取ることのできる人間かな?  下心がある僕は君には釣り合わないかもしれないね……。でも、最低な人間になってでも、君といたい。君と同じ空気を吸っていたい。  僕の恋は迷走気味だけど、ゴールはいつでも君の胸なんだよ。
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