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「おい、征爾、ここに置いといた俺のパンツどこやった?」
「しらねぇ」
「おっかしいなぁ……、洗濯物たたんでここに置いといたのに……」
「耄碌したんじゃねぇ?」
「ばっかやろ、まだ、俺は二十五だぞ」
「俺様、まだ十七。二十五とかじじくっさ」
「この生意気なガキンチョはまったく……」
兄貴がぶつくさ言いながら、夕飯を作るためにキッチンに行った。
両親が死んで、中学卒業と同時に働いて俺を育ててくれた兄貴。俺は邪な目で兄貴を見ている。
だって、現に兄貴のパンツをポケットに隠し、後で部屋で存分に堪能するつもりだから。
兄貴には打ち明けるつもりは毛頭ないけど、女とか作ってほしくない。兄貴を奪う女はすべて、俺がいびり倒して別れさせてやる。
兄貴のことは俺が一番わかってる。今はガタイも経済力も兄貴のほうが上だ。だから、おとなしくしている。
高校卒業して働きだしたら、俺は鬼畜になる。朝から晩まで部屋に兄貴を閉じ込めて、俺のものにするんだ。兄貴のこと誰にも見せない。俺だけが知ってればいいんだ。世界中のみんなが兄貴のことを忘れても、俺だけが兄貴を見ていれば、それでいいじゃないか。
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