第1章

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 貴臣の言葉に一路がにやりと笑う。 「好き嫌いは敵だ」  そういって、調味料と一緒にぐつぐつ煮える木綿豆腐の上へ絹ごし豆腐を継ぎ足した。 「あー、混ぜた」  貴臣は唖然とした。  一路はすました顔で、中華鍋を揺する。あっという間に豆腐は混ざっていく。貴臣の目には皆同じにしか見えなくなった。 「味は同じ。気にするな」  一路はそういって、最後のひと仕上げに移った。
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