第1章

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 俺はあまりのことに唖然として突っ立ていることしかできなかった。 「やっぱ、猫草と言えば、ここだよな!」  軽やかな、しょりしょりとレタスを食べるようなみずみずしい音を立てて、子猫が俺の大事な植物を食べていく。  ショックから立ち直れずにいる俺を尻目に、竜彦は楽しそうに子猫に話しかけている。 「そうかそうか、うまいか。さすがは千尋の育てた猫草だよな」  次第に怒りがわいてきて、俺はきっと鋭い目つきで竜彦を睨みつけた。 「断じて、俺の観葉植物は、猫草じゃなーーーーい!」  俺の叫びが通じたかどうかは、竜彦の両手の中に納まる小さな子猫様のご意思次第なのだろうか……。
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