第1章

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 今日、初めて出会い系サイトに書き込んで、OKもらった人と待ち合わせする。  もう二十二歳なのに誰ともつき合ったことなんかない。彼女はいない。紹介されたことがあったけど、断った。  僕は男が好きだから。男が好きで、学生時代は一人悶々として、通販で買ったビデオ見て、自分を慰めてた。  僕の知識は、全部通販のビデオとネットの情報だけで、試してみて自分の体のいろんなことを知った。でも、 それは自分だけの世界。  僕は体が寂しい。一人が寂しい。あこがれてた腕に抱き締められたい。でも誰が好きかなんて分からない。  出会い系サイトのことは知っていたけど、今まで勇気が出なかった。  失敗談を聞くと怖くなって……。  好きになるとか、愛とか、そういうことより、抱き締められたい。そして、自分の体で良かったところを他人の手や体でなぶられたい。  でも本当は好きだなって思っても諦めてるだけだ。相手は女の子が好きだから。男が好きな相手なんて、隕石が落ちるより確率が低いと思ってた。  目の前に待ち合わせした相手が来た。  どうしよう。僕の心臓は破裂しそうに高鳴っている。緊張してじゃない。これからなにをするか分かってるから、そうじゃない。  一目惚れしたことが僕を瞬殺しそうだ。
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