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一言一言発するたびにその静寂が掻き消されるようだ。
なぜか、隊員の話し方もその静寂を乱さないようにとても静かで落ち着いたよう
になっていた。
その暗黙のルールが疲弊を生んでいることもまた事実だった。
ひと時もリラックスを出来ない状態は過酷だった。
そんな時、われわれは窓から海の中を覗くのだ。
深海ともなると魚の数も少ない。
しかし、その中で時折この大型船の横を通り過ぎていく地上ではまず目にするこ
とのない魚を見て、心を落ち着かせていた。
しかしそれでもわれわれの仕事は精神的に限界に近づいていた。
そんな時だった。
隊員が見ていたレーダーが強く反応した。
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