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これは一大事だ。
私は隊員にすぐに指令を出した。
「すぐにあの物体から距離をとるんだ。もし見つかったら、攻撃されるかもしれ
ない」
私は努めて冷静に言った。しかし、その言葉の意味から緊急事態が起きていると
いうことが隊員たちにも分かった。
われわれの船は静かに航路を大きく曲げ、その不審な物体と距離をとろうとし
た。
レーダーを確認するが、その物体はとどまったままだった。
危機は脱したように思え、私は次の指令を隊員に発しようとしたその時だった。
「隊長、止まっていた不審な物体が急に動き出しました。それもかなりのスピー
ドで」
油断したわけではなかったが、相手の意表を突く作戦に私は面食らった。
その不審な物体は私どもの焦りなど無視するかのように突き進んできた。
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