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そのスピードはわれわれの船よりも明らかに上だった。
われわれが虚を突かれたということもあるが、それでもその性能の違いは一目瞭
然だった。
「冷静に、みんな」
私は隊員たちにこう言いながらも心の中では、詫びていた。
もしかしたら、この船は攻撃を受け深く暗い海の中でわれわれは船体ともどもバ
ラバラになるということを。
不審船はすぐそこまで近づいて来ていた。
しかしその時だった。
迫って来た不審船が何かの信号を送り始めた。
われわれのレーダーはそれを受け取り、私は信号を解読した。
するとその内容には思いがけないことが書かれてあった。
目と鼻の先まで来ていた不審船も実はわれわれと同じ目的を持った外国の潜水艦
の監視船だったのだ。
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