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思い出すのは君の笑顔だけだった。
まだおいらがなんにも知らない本当に愚かで、馬鹿みたいに純粋だったあの頃。
「また他の兄妹達にいじめられたの?もう・・・」
そう言って少し困った顔をしながらおいらを抱き上げる君が大好きだった。他の兄妹達より体が小さい事とか、おいらが末っ子でいつも他の兄妹達から苛められていた事とか、そんなことなんてどうでもよくなるくらいに。
君がいてくれるならなんだっていい。
どんなことにだって耐えられる。
そう思っていた。あの日が来るまで・・・。
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