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おいらは今のご主人に拾われる前まで、ごく一般的な家庭で5人の兄妹達と共に暮らしていた。
おいらは兄妹達の中でも末っ子で、体も一回りくらい他の兄妹達より小さく産まれてきた。おいらみたいな子供を人の世では未熟児というらしかった。
他の兄妹達にそうからかわれた時は死んでしまおうかと思った。
それがおいらの一番古い記憶。
母親からミルクをもらう時もおいらはいつも一番最後だった。
体の成長がなかなか他の兄妹達に追いつかないのは、このせいでもあったと思う。けれど、体の小さいおいらは他の兄妹達に押しのけられて、いつも彼らが飲み終わった後の残りを飲んでいた。
けれどほとんどは他の兄妹達に飲み尽くされていて、おいらの腹が満足に満たされたことなんてただの一度もなかった。
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