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それから2年の歳月が流れ、由美ちゃんは中学二年に上がり、その顔立ちは可愛らしさだけではなく少し大人び落ち着いたものへと変わっていった。それと比例するように、由美ちゃんの興味は徐々に外の世界へと向いていった。
帰りも少しずつ遅くなって、おいらの頭を当時のように撫でてくれることも少なくなった。
おいらから由美ちゃんの心が少しずつ離れていくのを嫌でも感じとっていた。
「所詮、犬なんてそんなものだよ」
他の兄妹達にそう言われて、それにいつものように食ってかかる事が出来なかった。
2年もの歳月を経て、昔のように兄妹達が子供じみたいじめを仕掛けてくる事は無くなった。それでも兄妹達と仲が良いはずもなく、お互い当たらず触らずの生活を送っていた。
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