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「人間達は都合の良い時だけ俺達を構って、それ以外は見向きもしねえ。・・・俺達はそんなもんだ」
長男の言葉に歯を食いしばるこ
としか出来なかった。
彼の言葉があまりに的を射ていると思ったから。どこまでも客観的な彼の言葉に、どれだけ感情的に食ってかかっても無駄だと分かっているから。
おいらも長男のようにいつも冷静でいられたなら。
時々気まぐれのように遊んでくれる由美ちゃんに一喜一憂するような、馬鹿みたいに単純な奴じゃなかったら。おいらはこんな苦しい想いをしなくてすんだかもしれない。
おいらの心が悲鳴を上げていた。
心が泣いていた。
それに追い打ちをかけるように、おいらを取り巻く環境は日々変化していた。由美ちゃんの心もまた同じように・・・。
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