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「お風呂…入って来るね」
小さく呟いて私はバスルームに駆け込んだ。
脱衣所に用意されていた真新しいバスタオルと、ランドリーバスケットに無造作に投げ込まれた彼のシャツ。
こみ上げるものが堪えきれずに、私は彼のシャツを掴み顔をうずめた。
大好きな彼の香りに溢れ出した涙を落とす。
ねぇ紺野君…どうしたらいい?
あなたを憎むことが出来たなら、きっとこんなに苦しくないのも分かってる。
けれど…涙でぼやける視界に映る真新しいバスタオルは、あなたがくれる小さな優しさ。
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