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その優しさに触れるたびに怖くなる。
私と彼を取り巻く景色がどんなに変わっても、もうあの頃のようにお互いが笑い合える日なんてきっと来ないはずなのに。
心のどこかでそれを待ちわびてしまう自分が大きくなって…どうしても先に進めない。
どれほど声を殺しても、狭い空間に嗚咽が漏れてしまった。
薄い壁を隔てた向こうで、きっと彼は私が泣いていることにも気づいているだろう。
けれど決して彼は私の肩を抱きしめてくれることはない───。
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