Act.3

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ようやく氷雪がおさまり、少しだけ桜の蕾が膨らみ始めたある日。 いつものように紺野君におねだりして放課後の教室で勉強を教えてもらいながら、ふと思い出して尋ねた。 「ねぇ、そう言えば紺野君、あの花の図鑑って何を調べてたの?」 「は?」 「ほら、ミクが化粧してた日に机から出してたでしょう?」 その質問に紺野君が微かに頬を赤く染めたのに気づいて私は慌ててブンブンと両手を振った。 「あ、言いたくなかったら言わなくていいんだけど…」
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