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「そういう紺野君って…本当に素敵だなって思う」
ポツリと呟いた言葉で紺野君の頬が、さっきより赤みを増した気がした。
それを見つめながら私は今、なんてことを口走ったのだろうとようやく気づき、慌てて否定した。
「あっ！ふっ、深い意味はないよっ！
ただ私は両親にそんなことしたこともないし…
それにうちのお父さんは…」
言いかけて思わず口をつぐむ。
うちのお父さんは私やお兄ちゃんのことを愛してなんかいないから、もしも私が紺野君のようなことをしてもきっと喜んだりなんてしてくれない。
『世の中金を持ってるヤツだけが生き残れるんだ』
それがうちのお父さんの口癖だ。
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