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Act.6 #2
キス…かな…。
心のどこかでそれを期待して瞼を閉じようとした私に紺野君はふっと微笑むと頬から手を離した。
あ…あれ??
「さ、帰るぞー」
「ちょ…」
「ホラ、早く教科書しまえ」
平然と言った紺野君にイラッとしながらも、急いで教科書を鞄に詰め込むと、彼は私の鞄を取り上げる。
「あ…」
「持ってやるよ」
笑って紺野君は教室の出口まで足を進めると、振り返って無言のまま再び手を差し出した。
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