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頭ではわかってる。
ミクは何も悪くないって。
だけどお願いだから私に構わないで欲しい。
「私さ……売りやろうかな」
「ダメだよそれは!」
その時だった。
私のふたつ向こうのスツールに座った男の人がバーテンにドリンクを注文している様子が目に映る。
「……嘘……」
思わずそう言葉に出てしまうほど……。
───彼に似た人。
何も迷いなんてなかった。
まるで糸に手繰り寄せられて行くみたいに私はその人に近づいた。
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