Act.8

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頭ではわかってる。 ミクは何も悪くないって。 だけどお願いだから私に構わないで欲しい。 「私さ……売りやろうかな」 「ダメだよそれは!」 その時だった。 私のふたつ向こうのスツールに座った男の人がバーテンにドリンクを注文している様子が目に映る。 「……嘘……」 思わずそう言葉に出てしまうほど……。 ───彼に似た人。 何も迷いなんてなかった。 まるで糸に手繰り寄せられて行くみたいに私はその人に近づいた。
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