Act.8

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「なんか龍都さんって面白いね」 「え?そう?」 「うん」 「初めてそんなこと言われたよ」 小さく笑った龍都さんはグラスのカクテルを飲み干していく。 それをぼんやりと見つめながら思った。 この人だったら……忘れられるかな。 どうしても消せない”好き”から……逃げられるのかな。 やがてカクテルを飲み終えた龍都さんが立ち上がってバーテンに言った。 「すみません、彼女の分も一緒で」 「え?!いいよ自分の分くらい払うから」 「いいよ」 スマートに片手で私を制した龍都さんは財布を開くとバーテンにお札を手渡した。
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