Act.8

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自称ハタチの私よりふたつ年上ってことは龍都さんは22歳。 それなのに言うこともやることも紳士的な龍都さんはどこかのお坊ちゃまなのかな。 花崎学園のお金持ちのご子息だってここまで紳士的な人はいないのに。 だけど……。 きっと紺野君が22歳になったらこんな風になるんだろうな、なんて思いながら、龍都さんに連れられ店を出る。 「ごめんなさい、ごちそう様でした」 「いえ、どういたしまして。 家まで送られるのは嫌だろうから最寄りの駅まで送るよ」 そう言いながらタクシーを停めた龍都さんの優しさが壊れた心にまた沁みた。
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