Act.8

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「最寄りの駅、どこ?」 タクシーに乗り込んでそう聞いて来た龍都さんに、私は笑って行先を告げる。 「ラブホ」 「は?」 首を傾げた龍都さんを無視して私は運転手さんに言った。 「中央区の北十五条あたりのホテルに行ってください」 動き出したタクシーの中、唖然としてる龍都さんに私は寄りかかる。 「……本気で言ってんの?」 「うん」 「…………」 無言になってしまった彼は、きっと今、心で激しく葛藤を繰り返しているのだろう。
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