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きっとこの人は女を買ったことなんてないんだと思う。
だからこそ、この人ならいいと思った。
消せない”好き”を強引に消す方法。
紺野君に捧げるはずだった……私の初めてを捨ててしまえばいい。
やがてタクシーは中央区のラブホが立ち並ぶエリアへとたどり着く。
さっき龍都さんから手渡された3000円をタクシーの運転手さんにそっくり渡して、私は龍都さんの手を引いた。
「……小雪ちゃん……」
「何も聞かないで。お金ちょうだいなんて言わないから」
青い間接照明で照らされた建物に勢いだけで足を進める。
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