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生まれて初めて足を踏み入れたそのエリアには、いくつもの部屋のイメージのパネルが並んでいた。
けれどそのパネルにひとつひとつ設置されているボタンの意味は何となく理解できる。
どれでもいいやと、一番手前にあったボタンを指先で押し込んだ。
が、何も反応がない。
「あれ?」
思わず首を傾げた私に、隣で龍都さんがクスリと笑う。
「小雪ちゃん、その部屋は使用中」
「え??」
「ほら、ボタンの電気が消えてるだろ?」
クスクス笑った龍都さんはたぶん気づいたのだろう。
私がラブホなんて場所に来たのが初めてだってこと。
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