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「こっちの部屋でもいい?」
そう言いながら龍都さんが指をさしたパネルのボタンは赤いランプが灯っている。
しくじったと心で思いつつも、私は平静を装って呟く。
「あっちの部屋の方が良かったんだもん」
「はいはい」
ちょっと小馬鹿にしたように笑って龍都さんはボタンに指を置いた。
すぐさま出て来たカードキーを私に手渡すと龍都さんが問いかけてくる。
「ホントにいいの?」
「……いいよ」
お願いだから消して。
心でそう訴えながら彼を真っ直ぐに見つめた。
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