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足元の床に埋め込まれたランプが、私たちを導くように点滅を繰り返す。
無言のまま、私の手を引き龍都さんは歩みを進めた。
やがて洒落たドアの上で点滅する光を見上げた龍都さんが足を止める。
「カードキー、ここに差しこむんだよ」
「知ってるよっ!」
ちょっとムキになって言った自分にまた後悔する。
これじゃ余裕ないのがバレバレだ。
けれど……龍都さんは穏やかに笑うと私の手からカードキーを抜き取ってドアに差し込んだ。
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