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Act.8 #2
「あ、ごめん。ちょっとまだ仕事が残ってて」
「……ううん」
パチパチと軽快にノートパソコンのキーを叩く龍都さんの指先を見つめる。
「龍都さんって何の仕事してるの?」
「うん、海産問屋」
「社長さんなの?」
「まさか」
「どこの会社?」
次々と質問を浴びせる私に、龍都さんはクスッと笑みをこぼすとキーを叩いていた指を止めた。
「あ、ごめんなさい。邪魔だったよね」
慌てて謝った私に龍都さんは腕を伸ばして来て、また頭をポンポンと優しく撫でる。
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