320人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
Act.9 #2
チャンスは今日だけ。
カレンダーを見つめながら私は更に歪んだ思考に囚われて行く。
「小雪様、着替えは終わりましたか?」
ドアの向こうからの問いかけに私は「まだ」と答えながらブランドロゴの蓋を開けた。
まるでおとぎ話の主人公が着ているような清楚な白のワンピース。
こんな薄汚れた私にはとても似合いそうもない。
それでも……この鳥かごから飛び出すために私はそのワンピースを身に着ける。
鏡に映った自分の姿を見つめながら歪んだ笑みを浮かべた。
ねぇ、紺野君…。
私はどこまで壊れたら……あなたに許して貰えるのかな…。
最初のコメントを投稿しよう!