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「自分の想いを押しつけたって、相手は幸せになんてなれない。
お互いの想いの丈が揃わなければ、それは愛なんかじゃなくエゴっていうんだよ」
そう言って再び私の腕を引いた歩さんはキャンパスを出て駅へと向かって行く。
歩さんに言われた言葉が胸に痛いくらい突き刺さって、私はもう抵抗する気力も失ってしまった。
言われる通りだ。
私がして来たことは、どこまでも自己中心的で龍都さんの本心なんてまるで無視。
いや、心のどこかでそれに気づいていても目を背け、私の誘惑に溺れた彼しか見て来なかった。
このお腹に芽吹いた命だって……私が龍都さんを騙した結果なのに。
突然子供が出来ましたなんて言われたって龍都さんは信じてくれないだろう。
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