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だけど世の中は私が考えているほど甘くなんてなかった。
「君、ちょっといいかな?」
後ろから聞こえた声に振り返ると、そこには制服を来た警察官。
どうする事も出来ないまま、私は補導されてしまったのだ。
連れて行かれた交番で、当然のごとく札幌の家に連絡される。
そしてそれから4時間後には、私の前には父が立っていた。
「大変ご迷惑をおかけ致しました」
深々と頭を下げる父を横目に私は絶望感だけに包まれる。
もうここから逃げることも出来ず、愛する人も失って……。
私が存在する意味は、もうこのお腹の赤ちゃんだけしか見いだせなくなっていた。
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