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チカのフライ定食を食べながら、紺野君は珍しく饒舌になった。
「まだ小学校くらいの頃ってさ、親父に連れられて兄貴と三人で北見あたりに良く釣りに行ったんだ。
その時にチカの大群と遭遇してな、クーラーボックスに入りきらないくらい釣れちゃってそれから1週間くらい晩飯のおかずがチカばっかりでさ、チカが嫌いになったよ」
「あはは……」
「だけど大人になってこうしてチカを食ってみたら、不思議なもんで本当に美味い魚だなって。だから何となく小雪にもこれ食わせてやりてーなって思った」
彼の言葉に一瞬だけ歓喜する。
だけど……そんな彼の素敵な家庭を壊したのは私の家族であることは決して消せない事実だ。
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