Act.17 #2

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「俺さ、日本を離れることにしたから」 「えっ?」 「だからもう二度とオマエの前に現れることはない」 「……なんで……?」 思わず震えてしまった声で問いかけると、彼は穏やかな微笑みを浮かべて私を見つめる。 「もう俺も歩み出したいんだ。あの苦しみから解放されたい。 だからこの車を使い終わったら、ポストに鍵を入れておくから」 「…………」 何も言えなかった。 彼が言った、あの苦しみという言葉の意味は痛いくらいわかっている。
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