Act.20 Side Ryohei #2

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戸惑いながら返って来た声にたまらなく愛しさがこみ上げた。 会いたい。 今すぐ会って……もう一度、君と交わり合いたい。 もう誰にも渡さなくていいように……。 壊れるまで君を抱きしめたい。 そんな思いが増殖して行くだけで、俺自身が壊れそうになる。 だから俺はあの走り書きを見つめながら彼女に言い放った。 「じゃ、明後日の夜に借りに行く。また連絡する」 「……うん」 嗚咽してしまいそうで慌てて電話を切り、走り書きの文字に額をつける。 『罪の赦しには必ず代償が伴うことを忘れるな』 ヒメムラサキの丘で交わした約束を破った俺に、神が最後に下す代償が、たとえこの命であっても。 それで小雪が幸せになれるのなら……この命だってくれてやる。
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