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真っ直ぐに瀬那川を見つめて放った俺の覚悟。
この人をたくさん苦しめたからこそ、今、再び俺は誓う。
「だから……俺と小雪はこれで終わった訳ではありません。
ここからもう一度、再び会うその時を待ちわびて歩き出すんです」
「ふはっ……」
軽く吹きながら笑った瀬那川蓮都は、俺に握手を求めた。
「お前、ホントに兄貴と同じで頑固みたいだな」
「子供の頃は良く言われました」
「必ず小雪を幸せにしろよ」
「もちろんです。
俺は生まれてから今日まで彼女以外の女を愛することは出来なかったんで」
交わした握手は俺を奮い立たせてくれる。
やっぱり、もっと違う形でこの人と出会っていたら、俺たちはいい友達になれたのかもしれないと思いながら瞼を伏せた。
親友なんて呼べる友達は今まで一人もいなかったけれど。
この人と親友になれていたら……。
俺の人生はまた別のものに変わっていたのかもしれない、と───。
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