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「たとえ彼女が俺を受け入れてくれなくても……。
俺は必ず生まれて来る子供を幸せに導きたいと思っています。
それが……父親である俺の責任です」
「……亮平君……」
「だから今だけでもいい……小雪の一番近くにいさせて下さい。
彼女が目覚めて俺を拒否したならそれは真摯に受け止めます。
ですからどうか……」
深々と頭を下げて懇願した俺の横で兄貴までが頭を下げた。
「勇太郎さん、お願いします」
「いや、黒田さんまでそんな事!
あの、亮平君!こっちからお願いしたくて連絡したんですから!」
慌てて勇太郎が言った瞬間だった。
処置室のドアが開き、看護師が声を掛けて来た。
「有坂小雪さんのご家族の方は?」
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