Act.26 Side Ryohei #2

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「はい」 勇太郎が慌てて手を挙げると看護師さんは神妙な面持ちで言った。 「痙攣は収まりましたが、昏睡状態に陥っています。 ここから回復に向かう場合と発作を繰り返す場合があります。 どちらにせよ、昏睡状態から意識が戻らないと非常に危険とのことです」 「……っはい……」 「妊婦さんの傍で出来る限り励ましてあげて下さい」 処置室の中へと促す看護師から勇太郎が俺に視線を向けた。 「紺野君……小雪の傍に行ってやってくれないか?」 「……いいんですか?」 問いかけた俺に勇太郎は穏やかに笑って頷きながら答える。 「当然だろう。君は子供の父親なんだから」
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