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「はい」
勇太郎が慌てて手を挙げると看護師さんは神妙な面持ちで言った。
「痙攣は収まりましたが、昏睡状態に陥っています。
ここから回復に向かう場合と発作を繰り返す場合があります。
どちらにせよ、昏睡状態から意識が戻らないと非常に危険とのことです」
「……っはい……」
「妊婦さんの傍で出来る限り励ましてあげて下さい」
処置室の中へと促す看護師から勇太郎が俺に視線を向けた。
「紺野君……小雪の傍に行ってやってくれないか?」
「……いいんですか?」
問いかけた俺に勇太郎は穏やかに笑って頷きながら答える。
「当然だろう。君は子供の父親なんだから」
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